1997

PARANOID ANDROID/RADIOHEAD/
FROM
OK COMPUTOR (RADIOHEAD)
 ある日のこと、実家でMTVをみていたら、何かアニメに何か意味の分からない不思議な画像が流れていた。何か気持ち悪いというか、グロな漫画じゃないのだが、あまり後味のよくない。
でも、そこに流れている音楽は、何か美しい、素晴らしいものだった。それがレディオヘッドのパラノイドアンドロイドである。一応、その数年前に出されていたクリープが大ヒットして、CDも買っていたがその後は興味もなくなっていた。でも、OKコンピューターは、圧倒的な作品であった。90年代を代表するだけでなく、今までのロックの中でも重要作においていいほどの出来である。この人たちの魅力は、トムヨークの陶酔しながら歌う、神経質そうで心を引くヴォーカルと堅実なリズムとギターのアンサンブル(次作ではそれも解体されるが)と、歌詞にあるだろう。それに、圧倒的なライブ!!現在、もっともプログレッシブなバンドである。自分たちが積み上げたものを破壊し、また、構築し、どんどんつきすすんでいく姿は感動的である。昔のプログレの人で今までもその姿勢を保っているのは、クリムゾンとか、アシュラテンペルぐらいか?
 この曲は、3部形式ではじめはギターのアンサンブルで静かに押さえて、次に印象的なリフを中心に激しく、そして、また静けさの中で天に昇るかのような美しいサウンド、そして、また激しいリフで終わる構成である。この人たちの声は好き嫌いが分かれるかもしれないが、次作のキッドAが全英、全米ともにナンバー1を取ったことからもかなりの人がこの音を支持してきている。
(2000年12月10日)

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